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閉じ目の兄上と女王さま。




私はこの人を知っている。

閉じられた瞳とは裏腹に愛想良く気さくに話す優しい物腰を。


私より少し上の先輩冒険者で何かと頼りにしていた存在だった。
出会いも古く、
同期のレヴェ(1)やスガさん(2)と初めて組んだパーティーで
偶然に一緒になった時以来の付き合い。


深い紫の翼を左右に広げ、大剣を手に前を先導して走る
その背中ばかりが印象に残る。


でももう長くその姿を見ることはなかった。

それから幾月幾年…




【 人物事典 】
(1)レヴェ:冒険者登録名称 レーヴェリス
チゾと同期のウィザードで「蒼と白の魔道士」の異名を持つ新生魔法研究家。眼鏡男子。
(2)スガさん:冒険者登録名称 Sugawara
レヴェの古くからの旧友で腕利きのソードマン。
面倒見のいい性格で沢山の人に慕われていたが、現在は長い旅に出たきり行方知れず。









ということで。




 
                                          
アクロニアの極北、
永遠の北限に隣接した凍れる大地に塀と結界で囲まれた王宮があります。
ノーザンプロムナードと言われるその場所は、その昔栄華極めた魔法国家ノーザンの今の姿。
国家なんて言うと聞こえは良いけど、いまはただ閑古な宮殿と併設する魔法ギルド総本山、
そして少しばかりの商店が並んでいるだけの寂しげな場所。
それでも、王宮の片隅に沸いた次元のひずみから偶然に繋がった
太古の図書館「エンシェントアーク」へ足を向ける冒険者や、
女王の宝物庫に眠る職業専用装備を目当てに訪れる冒険者も少なからずいることから、
石畳にきびすが当たるこつりこつりとした足音の響きが途絶える日は数えるほどしかない。

氷雪の砂塵を巻き上げながら木枯らしに踊るエンジェルフェザーの耳障りなその詠唱音を
背後に幾達も聞きながら、
チゾとザナさん、二人の冒険者は足早に大きな王宮の門を抜けました。
門を抜ければ王宮の魔力でモンスターの類は近寄ってこられない。
見張りのノーザン僧兵が凛として立ち迎えるその脇で、
安堵と疲れからそのまま座り込んで体力の回復を懸命に待つ冒険者も一人二人と目に映る。

この雪路が険しいならば、きっとまだ経験の浅い冒険者に違いない。
もしかしたら初めて女王ヴェルデガルドに謁見するその頃なのかもしれない。
チゾもその昔通った道。
きっとまだ不似合いなアーチャーアーマーを背伸びして着てた頃の話。懐かしい。
でも、今日はその時とはまた違った目的がある。
女王ヴェルデガルドへの面会。
それはあの当時と全く一緒のようだけど、
この時の相手は幼い冒険者だったあの頃に謁見した実体無き幻影ではなく、
長く行方が知れなかった身体あるヴェルデガルドその人。


アップタウンにいても、
そこはやっぱり冒険者の中心都市であるだけあって沢山の情報が集積する。
見慣れない装備やもの珍しい品々も、
露店の掛け札にはしっかりと出土にちなんだコメントが書かれていて
冒険者としての野心はいくらでもくすぐられる。
だからこの日も、久しく会った冒険の盟友に「さて、何かするかい」と問われてすぐに
ノーザンの地下都市に行こう!なんて言ってのけてしまう。

それに引き換えザナさんは、相変わらず腕の立つ冒険者で、
そんなチゾの発言にも一切の難色示すことなく笑顔混じりでこう返す。
「じゃ、まずはノーザンの酒屋にいこうか♪」








アクロニアの歴史において、
冒険者の目線で言うならば、それはおそらく世紀の大発見。
存在の真偽さえ長く謎だったノーザンの地下へ通じる道は、
王宮のお宝目当てで良からぬことを企てた、チンピラの二人によって
偶然にも開いてしまうのでした。

そしてノーザンが国家を上げて隠し通す最重要機密が、この時点から明るみに出るんです。
実に7年という長い長い時を経て。

「俺、まじパネェもん見つけちまったっす!!」

チンピラのコッソくんが思っているより、事は例えようが無いほどに重大である。「笑」(きいろ)




話は進み、流れから王国の機密を侵す悪事に加担することとなるチゾさん。
ちくりと、少しばかり胸に罪の意識が働いたけど、

結局はザナさんが笑いながら
「内心ではノーザン王国の真の姿を見たくてたまらないんでしょ」
と言った通り、世界の真実に近づけることに高揚しておりました。

しょうがないじゃない、冒険者だもん!








どういういきさつで、こうなったかは私にはまだよくわからない。
でも、過去幾度となく足を運んだノーザンプロームナードの地下に、
国を丸々飲み込むほどの膨大な氷雪によって凍土へと化してしまった街並みが眠っていて、
それを冒険者として目の当たりにできた感動は大きい。

そこかしこで幽体として存在する王国の市民は
凍りついた当時のことをあまり詳しくは語らない。
でも、なにかとても大きな事件があったことだけは、おぼろげながら理解できた。
地下への道が開けてなお、まだノーザンには謎が多いのだ。






凍った市街からさらに奥へと進むと、氷洞へ抜ける。
ただ、最早そこにはチゾの腕で立ち向かえるほどの余地は残ってなく、
ザナさんに憑依することでその先を目指す。

その先、
そこに待ち構えるもの…





世界樹そのものは文献を通し広く冒険者に知れ渡った存在。
でも、その所在地は不確かなもので、

それが、実はこのノーザンの地下にあったなんて…






そして…
冒険者になって初めてその顔を直に見ることとなる、
正真正銘本物の、ヴェルデガルド女王。
幻影よりもとても幼い。
そして、時と共に凍ったまま、眠りについている。





ザナさんも、
ノーザンがお目見えした昔々の時代からアクロニアを駆けてきた冒険者。
少し遅れて冒険者となったチゾもまた、その時代を身近に感じて生きてきた。
それが、長い時間を経過した今、こうして一緒に、
閉じられていた世界の謎を一つ開け、見知ることができた。
これってとてもすごいことだと思う。


こんなにも長く、アクロニアを歩いていると、
色んなものを見られるんだなぁ と素直に思ってしまった。「笑」(みずいろ)








冒険に満ちた楽しかった時間は、ノーザンの突風のごとく過ぎ行き、
気がつけばゆっくりと時間が流れる慣れた部屋の中。
まるで、夢だったかのような感覚さえも覚える。
ただ、いつも私は冒険に赴いた地で、何かしらを拾ってくる。
今日もまた、夢ではなかった証拠たるへんてこな品々がテーブルの上に転がる。

一見するとただの紙ゴミにしか見えない「破れた日記」は、
ザナさんが拾い置いてくれていたもので、別れ際に「持っておいて損はないよ」と渡してくれた。

いつかまた、このガラクタのような思い出の名残りが、チゾにとって役に立ち
活躍してくれる日がきっとくる。
それはまた何年も先のことかもしれないけど、でもちゃんと、確実に。








パクッ 。o( おまけ )
いつからか、魔法詠唱に漏れなくかっこいいモーションが付きました。
これって元々はクジ品の本のアイテムの専用モーションだったと思うんだけど、
やっぱりこうやって本のページがバラバラとめくられながら魔法を唱えるほうが
それっぽくてかっこいいよねパンダ(C)
昔は手に持った本を開きもせず掲げるだけだったのに、進化するものだあ♪(紫)




ザナさん、これからもよろしくですよんハート





【 人物事典 】
(3)ザナさん(仮):冒険者登録名称 ???
さらさらの銀髪がかっこいい閉じ目のドミニオンで、兄的存在のソードマン。
チゾの少し上の先輩冒険者…の割には大陸の洞窟で出会ったその時から既にかなーり強かった。
今は剣を置き、新生魔法の研究に専心する聡明なウィザードへと転身した。
今も昔も黒い服が好きなご様子。






2013.7月7日 【只今のJOBLV:--♪】   
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posted by: tizzo(チゾ) | ECO日々。 | 02:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - |

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